冷え性改善・予防 摂りたい栄養素を理解して、食生活をレベルアップ 

生命を維持するために必要なタンパク質、脂質、炭水化物で構成される三大栄養素はバランスよく食べることは言うまでもありません。過度なダイエットや嗜好でバランスが崩れると、身体に必要な栄養素の吸収率が低くなります。冷え性改善には、血の巡りを良くすることが第一条件です。必要な栄養素を理解して、サラサラ血液をキープすることが必要です。

もくじ
1.若返り作用のビタミンE
2.美を保つビタミンC
3.相乗効果のビタミンA
4.酵素の活動をサポートするマグネシウム
5.血液形成に必要な鉄分
6.体内代謝で重要な葉酸
7.葉酸と共に重要なビタミンB12
8.まとめ

若返り作用のビタミンE

◆ビタミンEの働き
ビタミンEは、脂質に溶けて働くビタミンで、抗酸化作用で若返りビタミンとも言われてます。末梢血管を拡張して血行を良くする作用があり、血管の細胞膜を損傷から守り、血管が硬くなるのを予防して血の巡りを促進させます。また、ホルモンバランスや自律神経の安定にも働き、自律神経が安定するということは、体温が安定して冷え性改善に繋がります。ビタミンEの吸収率を向上させるためには、タンパク質や脂質もしっかり摂る必要があります。

◆ビタミンEを多く含む食品
種実類・・・ヘーゼルナッツやアーモンド、松の実、落花生など
魚介類・・・あんこうの肝・うなぎ、すじこ・キャビア・いくらなど
野菜類・・・トウガラシ・モロヘイヤ・大根の葉などの緑黄色野菜
果実類・・・アボカド
穀物類・・・小麦胚芽・玄米など
調味料・・・サフラワー油・コーン油・なたね油など

食品添加物やサプリメントに使用されているビタミンEには、天然型と合成型があります。合成型は原料を化学的に反応させて製造したものであるため、抗酸化作用の効果が期待できないとされてます。天然型を選ぶ方が良いでしょう。

美を保つビタミンC

◆ビタミンCの働き
ビタミンCは、ビタミンEと同じ抗酸化ビタミンですが、水溶性のためビタミンEとは作用する場所が異なります。ビタミンCは、体液に存在し、肌のはりを保つコラーゲンの生成を促します。若さと美を保つビタミンのとして、女性に幅広く認識されています。またコラーゲンには、血管のダメージを修復して血管をしなやかにする働きがあります。

抗酸化作用で、悪玉コレストロールが活性酸素の影響で酸化して、ドロドロ血液になるのを予防する働きもあり、血液循環のサポートが期待されます。また、ビタミンCは、活性酸素を撃退して、抗酸化力が低下したビタミンEを復活させる働きもあります。

◆ビタミンCを多く含む食品
野菜類・・・赤ピーマン・パセリ・芽キャベツなど
果実類・・・ゆずの皮・レモン全果・柿・キウイ・イチゴなど

ビタミンCの含有量はあまり多くありませんが、調理しても含有量に変化が少ないブロッコリーやサツマイモ・じゃがいもは効率よくビタミンCが補給できます.。天然の食材から摂ることが良いです。

相乗効果のビタミンA

◆ビタミンAの働き
ビタミンAは、ビタミンEと同じ脂溶性のビタミンです。レチノールと呼ばれ主に動物性食品に含まれています。主な作用は目の明暗感覚の維持、皮膚や口、のど、鼻、消化器官の粘膜の潤いの保持、がんのリスク軽減などです。過剰に摂取すると嘔吐やめまい、意識障害があり、特に妊娠初期の過剰摂取は奇形児という重篤なリスクがあります。

植物性食品ではプロビタミンと呼ばれ、カロテノイドの中のβカロテンという色素が体内でビタミンAが不足した時、レチノールに必要な分だけ変換されます。βカロテンの抗酸化作用で、悪玉コレストロールの酸化を防ぎドロドロ血液のリスクを軽減する働きがあります。βカロテンを、効率よく摂れるのは緑黄色野菜です。緑黄色野菜とは、βカロテンを豊富に含む野菜全体の名称です。

◆ビタミンAを多く含む食品
動物性食品・・・鶏レバー・豚レバー・あんこうの肝・やつめうなぎなど
植物性食品・・・ニンジン・ブロッコリー・モロヘイヤ・ほうれん草などの緑黄色野菜

味付け海苔、焼き海苔、抹茶、煎茶の茶葉もβカロテンが豊富に含まれてます。緑黄野菜を主に摂っていれば、生活していく上で必要なビタミンAは十分補給できます。動物性食品のように過剰摂取のリスクを考えなくて済みます。 

◆ビタミンACEの相乗効果
ビタミンAには、ビタミンEとビタミンCの活動寿命を長くする働きがあります。ビタミンEはビタミンAの酸化を防ぐ働きもあります。このビタミンA・C・Eはビタミンエースと呼ばれ、一緒に摂ることで抗酸化作用の相乗効果で冷え性の改善、老化防止や美肌作りへの期待が出来ます

ビタミンACEを持ち合わせている緑黄野菜はモロヘイヤ、赤ピーマン、西洋かぼちゃ、ダイコンの葉などが使い勝手が良いでしょう。意外かもしれませんが、味付け海苔、焼き海苔からも効率よく摂取できます。

ビタミンCは熱に弱く、ビタミンAとEは熱には比較的強いので炒め物など油と一緒に摂ると吸収率が上がります。そのまま生でオリーブオイルやドレッシングでいただいてもイイですね。

酵素の活動をサポートするマグネシウム

マグネシウムは、単体で活動する栄養素ではなく、身体の中にある約300種類もの酵素の活動をサポートする栄養素です。名わき役というところでしょうか。

◆マグネシウムの働き
身体を形成するタンパク質の産生、エネルギーの新陳代謝、血液の流れや体温の調整、神経伝達など色々な酵素の活動を補助します。ビタミンB群と合同で糖質・脂質から熱エネルギーを産生させる作用があります。血行促進をサポートし、体温を上げたり、また体温低下の抑制に働き、神経伝達の促進もサポートする働きがあります。体温調整を円滑に行える機能に期待が持てます。

マグネシウムは、細胞内外の水分量の調整する作用もあります。血液は熱と栄養分を動脈で身体の末端まで運び、老廃物と交換して静脈で回収という循環をしています。マグネシウムは、むくみの原因となる滞留している余分な水分の代謝を促進して、むくみをやわらげる働きがあります。滞留している余分な水分で、熱エネルギーが奪われることなく、身体の末端への熱供給が保たれ、体温低下のリスクが回避に期待できます。

また、カルシウムとマグネシウムは約2:1のバランスを保ちながら作用してます。このバランスが崩れると、お互いの効果が相殺されてしまいます。筋肉の収縮が円滑におこなわれず、血管の収縮や拡張のバランスが崩れて、血行不良に原因になります。すなわち冷え性のリスクにつながります。

◆マグネシウムを多く含む食品
海藻類・・・あおさ・青のり・ワカメ・ひじきなど
魚介類・・・干しエビ・煮干し・たたみいわし・するめなど
豆類・・・きな粉・大豆・油揚げなど
種実類・・・ゴマ・アーモンド・松の実・カシューナッツなど
穀物類・・・アマランサス・オートミール・コーンミールなど
※塩も精製塩から天日塩などに替えるなどの工夫も有効です。


血液形成に必要な鉄分

冷え性改善に、鉄分が必要であることが、意外に感じるかもしれません。鉄分=貧血改善というイメージかと思います。冷え性は血液循環がスムーズに働かなくなり、熱を身体全体へ行き渡らせられなくなることです。

◆鉄分の働き
鉄分は、赤血球のヘモグロビンの成分で酸素を運ぶ役目を担っています。鉄分が不足して貧血を起こすと、めまいや頭痛、身体のだるさ、疲労感、不眠、情緒が不安定になるなどの精神的なストレスに至るまで様々な症状が発生します。

身体が酸素不足により各機能が働かなくなるためです。筋肉や内臓の活動が低下すると、エネルギー代謝も低下してうまく熱が産生できなくなります。身体は熱を中心に集中させますので、手足などの末端のには熱が供給されにくくなり冷え性のリスクが大です。

◆鉄分が多く含まれる食品
鉄分は動物性食品に含まれる鉄分をヘム鉄、植物性食品に含まれる鉄分を非ヘム鉄といいます。ヘム鉄は、赤血球に含まれるヘモグロビンと筋肉色素タンパク質のミオグロビンに存在してます。ヘモグロビンは酸素を身体のすみずみまで運ぶ働きがあり、ミオグロビンは酸素を筋肉組織内で蓄える働きがあります。ヘム鉄はタンパク質にガードされているので、他の食品の影響を受けずに小腸で吸収されます。

非ヘム鉄は、胃液で吸収されやすい水溶性に変化します。ビタミンCやタンパク質、かつお節、クエン酸などを一緒に食べると吸収率がアップします。一方、お茶に含まれるタンニンや食物繊維は吸収を邪魔します。非ヘム鉄、一緒に食べたものに影響しやすく、身体に吸収されるまでに、水溶性に変化するため吸収率が低いとされてます。

◆ヘム鉄を多く含む食品
肉・卵類・・・豚レバー・鶏レバー・牛のミノ・卵黄など
魚介類・・・煮干し・ウナギの肝・イワシの丸干し・赤貝など

◆非ヘム鉄を多く含む食品
野菜類・・・パセリ・つまみ菜などの緑黄野菜
魚介類・・・しじみ・あさり・はまぐりなど
豆・種実類・・・大豆・きな粉・胡麻・松の実・ピスタチオなど
海藻類・・・青のり・ひじき・焼きのりなど

◆非ヘム鉄の効率よい摂り方
非ヘム鉄の吸収を手助けするのが、ビタミンCです。ビタミンCを含む食材と一緒に摂るか、レモン汁とともに摂ることがイイでしょう。クエン酸も吸収を手助けする作用をもってます。ドレッシングなどに加えると効果が期待できます。

鉄分摂取でよく耳にするほうれん草は、生ですと鉄分吸収を妨げるしょう酸が含まれます。茹でてあく抜きをする必要がありますが、熱を加えると吸収をサポートするビタミンCが損なわれてしまいます。ほうれん草よりサラダ菜・水菜の方が鉄分量は多いです。加熱しなくても食べれる食材に置き換えてみたらいかがでしょうか。

非ヘム鉄の吸収を促進させるためには、牛肉・豚肉・鶏肉・魚肉に含まれている動物性タンパク質と一緒に摂ることで効率良く鉄分補給が期待できます動物性たんぱく質は、ヘム鉄の吸収を早める作用と非ヘム鉄の変換を促進する作用があります。

体内代謝で重要な葉酸

身体は、日々細胞分裂などさまざまな代謝を繰り返して、生命の維持を図っています。葉酸は、体内代謝で重要な役割を担うビタミンB群に属する栄養素です。

◇葉酸の主な働き

◆正常な造血をサポート
葉酸の働きは、ビタミンB12と一緒に赤血球へ成長する前の赤芽球を合成し、赤血球へのスムーズな生成をサポートすることにより貧血のリスクを回避します。

貧血で思い浮かぶのは、鉄分不足で起こる鉄欠乏性貧血ですが、葉酸もしくはビタミンB12が不足して起こる巨赤芽性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)は悪性の貧血といわれ、細胞分裂が不十分で増殖できず、大きい赤血球が生まれます。赤血球が未成熟のため、酸素運搬能力が著しく低下して、身体が酸欠状態になります。

鉄分が不足して起こる貧血の症状に加えて、舌の痛み、味覚障害、食欲不振などが起こります。身体が酸欠状態では、基礎代謝も上がらず冷え性のリスクが高まります

◆正確な遺伝子情報伝達よる細胞形成のサポート
葉酸は正しい遺伝子情報を持つDNAの生成や修正をサポートしてます。DNAは、細胞に正しい遺伝子情報を細胞に伝え、細胞は分裂・増殖・成熟を繰り返します。葉酸は、DNA形成する酵素の働きを促進する役目を担ってます。

葉酸が欠乏すると細胞分裂・増殖・成熟が上手くできなくなります。特に妊婦は注意が必要です。妊娠初期に脳や脊髄の基礎ができます。葉酸が欠乏すると細胞分裂が活発にならず胎児に先天性異常のリスクが高まる可能性があります。また、授乳期でも母乳に葉酸が欠乏すると発育遅れの一因になります。

◆動脈硬化の予防
血中のアミノ酸の1つであるホモシステインの濃度が上がると、血管の壁に損傷を与えます。傷ついた壁に悪玉コレストロールや赤血球・白血球が引っかかり、血小板の働きでかたまりができ、血流が悪くなると同時に血管の柔軟性も失われます。血行が悪くなり冷え性のリスクが高まり、さらに進行して動脈硬化につながります。

葉酸は、ホモシステインを代謝過程で無害化して血中濃度を抑制します。同じようにビタミンB6・ビタミンB12も、ホモシステインの無害化を促進します。ホモシステインは加齢とともに増加します。若年層の動脈硬化を耳にしないのは、このような理由があったのですね。

◆葉酸を多く含む食品
葉酸は、ほうれん草から発見されたビタミンです。緑黄野菜に多く含まれてます。また、動物性食品の方が含有量としては多い傾向です。

肉・卵類・・・鶏レバー、牛レバー、豚レバー、卵黄など
魚介類・・・うなぎの肝、たたみいわし、うに、すじこ、いくらなど
海藻類・・・焼きのり、味付けのり、わかめの素干し、乾燥あおさなど
野菜類・・・えだまめ、モロヘイヤ、パセリ、芽キャベツ、グリーンアスパラガスなど
豆・種実類・・・きな粉、大豆、納豆、あずき、ごまなど
果物・・・ライチ、イチゴ、アボカドなど
その他・・・日本茶(玉露)、アマランサス、干ししいたけなど

◆葉酸の効率よい摂り方
葉酸は、水溶性のビタミンのため熱に弱い性質をもっています。なるべくそのままに状態で摂るのが望ましいです。加熱調理をする場合は、水に溶けだした葉酸がしっかり摂れるスープなどの汁物で効率性を高めましょう。

国で唯一サプリメントからの摂取が推奨されてます。特に女性の妊活、妊婦、授乳期に至るまで葉酸が欠乏すると、胎児への先天的異常や発育の遅れに多大な影響を及ぼします。耐容上限量の範囲で、食品とサプリメントからバランスよく葉酸を摂取することが望ましいです。

葉酸と共に重要なビタミンB12

ビタミンB12は、葉酸とともに体内代謝で必要なビタミンです。お互いに補い合いながら作用してます。

◆ビタミンB12の働き
ビタミンB12は葉酸と同じ作用があります。正常な造血のサポート、DNA生成や修正のサポート、動脈硬化の予防と葉酸と同じ働きをします。その他の働きは、脂質の代謝に影響を与えます。また、体内時計の調整にも働いています。

◆ビタミンB12を多く含む食品
ビタミンB12は、植物性食品にはほとんど含まれず、動物性食品に多く含まれます。ビタミンB12も葉酸と同じく水溶性のビタミンです。

肉類・・・牛レバー、鶏レバー、豚レバー、牛小腸、牛心臓など
魚類・・・煮干し、あんこうの肝、いわしの丸干し、さんま、にしんなど
魚介類・・・しじみ、すじこ、あさり、いくら、はまぐりなど
海藻類・・・味付けのり、焼きのり、乾燥あおのりなど

ビタミンB12は、熱に強く水に溶けだしやすい性質を持ってます。煮込み料理や汁物では、汁にビタミンB12が多く含まれます。過剰に摂取しても身体の吸収上限が決まっており、余剰分は排出されます。また、牛・鶏・豚のレバーやあんこうの肝など動物性ビタミンAが含まれてます。動物性ビタミンAの過剰摂取は身体に弊害がありますので注意が必要です。

まとめ

◆冷え性は、血行の不調が原因で身体が冷えてしまう。
◆貧血でも冷え性になる可能性がある。
◆健康な血液、正常な血行に必要な栄養素を理解して、毎日の食生活を見直す。
◆過剰摂取で、身体に弊害がある栄養素もあるので注意が必要。
◆バランスよく継続的に栄養素を摂取することのにより、血行が促進され、冷え性改善さらには健康な身体が手に入る。

参考資料
 文部科学省 日本食品標準成分表2010
 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2015年版

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